「トイレトレーニングを頑張ってほしいのにしてくれない」
「ご飯を綺麗に食べてほしいのに好き嫌いをして口から出す」
子育てをしているとこんなことは日常茶飯事。
「してほしい」「できるようになってほしい」。
ママ・パパの気持ちは膨らむばかりで、当の本人には届いているのかも分からずイライラすることもしばしばです。
今回は、そんなイヤイヤ期真っただ中のわが子に四苦八苦しているママやパパ向けに、イヤイヤ期はなぜ起こるのか、どうすれば楽にやり過ごせるのか、をまとめてみました。
ついにわが子にもイヤイヤ期が! なんで言うこと聞いてくれないの!?
何をするにも「イヤ」。できないのに自分ですると言ってやりたがる。
こうなると、子どもと真面目に向き合おうとすればするほど気力も体力も消耗して疲れちゃいますよね。教育熱心なママ・パパほどストレスを溜めこんでしまいます。
ではなぜ、今まで素直に言うことを聞いてくれていたわが子が、ある日を境に突然「イヤ」と言い始めるのでしょうか。
まずはそこから考えてみましょう。
子どもの「イヤイヤ期」には理由があった! 発達心理と脳の関係
実は、子どもが「イヤイヤ期」(第一反抗期)を迎えることには意味があります。
ここではその主な理由を記します。
1.子どものイヤイヤは自己が芽生えた証拠
子どもの「イヤイヤ」は、子どもが赤ちゃんからお姉さん・お兄さんへ徐々に成長している証拠です。
この頃には既に、自分は親や周囲の人とは違う人間なんだ、と認識し始めています。そして、やがて自分の欲求や思いを伝える段階に差し掛かっています。
子どもの「イヤイヤ期」が始まったら、それは自己主張ができるようになってきた証。
子どもは子どもなりに自分の欲求や思いを抱いていて、自分のやりたいようにしたい。でもそれができない状態になったとき、「イヤ」と反抗するわけです。
2.子どものイヤイヤは自尊感情が芽生えている証拠
子どもの「イヤイヤ」には、自尊感情・自尊心に由来するものもあります。
自尊感情・自尊心とはいわば「自信」です。
この「自信」が打ち砕かれるような状態になったとき、子どもは「イヤ」と反抗します。
わが子の例でいえば、歯磨きがそうです。
歯磨き自体は嫌いじゃなくて進んでしますが、仕上げ磨きが大嫌いなんですよね。
歯磨き、ちゃんと自分でできてるもん。できるもん! 余計なことしないでよねー!!(ムキー)といったところかな?
そうなんです。
大人はそんなつもりで仕上げ磨きしてるわけじゃないけど、子どもにしてみれば自信があるだけに煩わしく感じてしまうんだろうね。
3.イヤイヤ期のかんしゃくは脳の「前頭前野」によるもの
「イヤイヤ」を連発されたり、かんしゃく泣きを永遠とされたりすると正直親もストレスが溜まりますよね。
しかし、幼児期の脳は未発達で、感情や欲求をコントロールしている「前頭前野」が大人のように活性化していません。ゆえに我慢ができず、「イヤ」を連発したり、かんしゃく泣きを起こしたりします。
ちなみに、人間の思考力や集中力、記憶力、計算力、判断力なども前頭前野の働きによるものだと言われています。
前頭前野を鍛えるためにはどうしたらいいんでしょうか?
運動したり、人と話したりするといいよ。
子どもなら、友達と思い切り遊んだり、喧嘩したりするだけでも前頭前野は鍛えられるよ!
4.言葉で説明できない感情を「イヤ」やかんしゃくで表す
言語力が不十分なため、「イヤ」を連発するパターンです。
2~3歳頃の子どもは、大人のように言葉で上手く気持ちを表現できない分、やり場のない怒りや悲しみを全身や「イヤ」という言葉を使って表現します。
ちなみに、わが子の場合は、「イヤ」に加えて「キライ」を連発しています。
子どもは何が「イヤ」で「キライ」なのかを言葉で言い表せないので、大人に自分の気持ちが伝わらないと、泣き出すこともあります。
酷いときはかんしゃく泣きをすることも……。
推測でもいいので、「〇〇がイヤなのね」「××がキライなのね」と、大人が子どもの気持ちを代弁してあげることが大切です。
大人が代弁してあげることで、子どもも「〇〇がイヤ」「〇〇だからイヤ」と言えるようになってくるよ。
イヤイヤ期が来たらどうやり過ごす? 具体的事例を3つ紹介
とはいえ、さすがに毎回「イヤイヤ」と泣かれると、なぜか攻められているような気持ちになるし、外に出ていたら周りの目も気になりますよね。でもあなたは全然悪くないし、子どもも全然悪くないことだけは確か。
イヤイヤ期が来たら、「仕方ないわね」と一度深呼吸して、その場を適当にやり過ごすことをおすすめします。
事例1.おやつを欲しがって泣きわめく場合
うちの子、もうすぐ2歳で、最近、おやつの味を覚えちゃったんです。で、すき間時間ができると私の手を引っ張って冷蔵庫に誘導しておやつをせがむんです。
それで?
おやつは10時と15時って決めてるから、それ以外の時間にはあげたくなくて、ダメって言うんです。そしたらかんしゃく泣きを起こすんですよ。
それでおやつをあげるまで泣きわめく。こんなときはどうしたらいいんですか?
2歳児なら大人の言葉も分かってくる頃だから、なぜダメなのかを説明してあげるといいよ。
例えば、「甘いものは体が弱くなるから1日〇個まで」って感じで理由づけしていくと最初は分からなくても繰り返すことで段々我慢ができるようになってくるよ。
なるほど……。
子どもも大人と同じで、納得がいけば案外素直になったりするよ。大人でも頭ごなしに「ダメ」って言われたらムカッとくるよね。
確かに……。
じゃあ、それでも泣き止まない、我慢ができないときは、どうしたらいいですか?
環境を変えてみる!
抱っこして外に連れ出したり、テラスがあれば外に連れ出してみるのも有効だよ。
子どもはもちろん、大人の気分転換にもなるよ。
事例2.歯磨きのあとのうがいをしてほしいけどしてくれない場合
先生、実は育児でもうひとつ悩んでいることがあって……。
実は、うちの子、今まで歯磨きとうがいを素直にしていたんですけど、最近になって急にうがいだけ嫌がってしなくなったんです。
なんでだろうね。
それがさっぱり分からないんです。
言葉を話せれば理由も聞けるんですけど、まだ2歳児手前で話もできませんし……。
さすがの嫁も困っています。
冷たい水が嫌いとか。
そう思ってぬるま湯で試したりしたんですけど、違いました。
無理やりさせると泣きわめくし、嫁が一生懸命説明してうがいをさせようとしてもしてくれません。
ここだけの話、「歯磨きしないとおやつなし」とかもムキになって言っちゃいましたが逆効果でした。
気分的なものかもしれないね。
むし歯の心配をしているんだろうけど、子どもがイヤイヤ言ううちは無理にしなくてもいいんじゃない?
え、いいんですかそれで?
さあ?(笑)
育児に正解はないから他の人は違うこというかもしれないけど、僕だったら「まあいいかな」「そのうちしてくれるかな」って長い目で見るかな。
嫌がっているのに無理やりさせても逆効果だし、下手するとうがい自体が嫌いになるよね。
事例3.公園で遊んでいて帰ろうと誘うけど、嫌がって帰ろうとしない場合
内容を入力してください。他に最近困ったことは?
えーと、ああ! 公園での出来事がありました!
公園に連れて行ってしばらく遊ばせた後、帰ろうと誘うんだけどなかなかその気になってくれず、親だけ途方に暮れるっていう出来事があったよね。
あったあった!
でも帰ってごはんは作らなきゃいけないし、風が冷たくて寒かったので、最後は抱っこして半ば無理やり車に乗せました。そしたらぎゃん泣きですよ。
一体どうすればよかったのか……。
それでよかったんじゃない?
え?
子どもの気持ちに寄り添ってあげることは大切だけど、時と場合によるよね。
何を優先的に考えるかにもよるけど、僕が同じ立場なら生活リズムを整えることを優先するから、子どもが泣いても連れ帰ってごはんを食べさせるかな。
そっか…。
子育ては上手くいかないことの方が大半だと割り切ると楽になるよ。
計画もいい加減に立てておいて、できればいいほう、ラッキーだと思っておけば心にも余裕ができるからおすすめだよ。
まとめ:イヤイヤ期のときほど手を抜いてみよう
イヤイヤ期が到来したら、「仕方ないわね」と割り切って、一度育児・家事の手を休めてみることをおすすめします。
家事や育児が中途半端でもいいじゃないですか。
完璧なママやパパなんていません。今完璧を目指さなくても、食事や着脱、排せつを習慣化していれば、いつかは必ずできるようになります。
育児はトライアル・アンド・エラーです。正解なんてないよ。
子どもと向き合うことは諦めずに、でもいい加減に、手を抜きながらわが子の成長を見守っていきたいですね。